やまいもの投資

風見鶏トレーダーの株式投資日記

2018年の振り返りと来年の抱負


●一年の振り返り

今年はどのような相場でそれに対してどのように戦ってきたのかを振り返ってみる。

まずは1月。前年後半の勢いがそのまま継続し特にアメリカのグローズや日本の小型グロースが絶好調であった。
自分のパフォーマンスも9.1%と概ね満足できるものだった。もちろん細かいことを言えば、有機EL需要を期待した化学系の株を持っていたりしてパフォーマンスが削れらた面もあり、満点ではないものの、きちんと処分できており行動としてはOKだったように思う。

次は2月である。VIXショックが起こり大きく市場が冷え込んだ。とはいうものアメリカのグロースが比較的軽症であり、全体で-3.7%アメリカ株にいたっては-1.6%と軽微な損害にとどめた。ただしこのあたりから高PERの銘柄のバブルがおきていたようだが、これには乗ることができなかった。いまから考えれば、このあたりから相場が変わっていたのだろうと思う。

そこから3,4月と軟調な相場がつづき自分もパフォーマンスも3ヶ月連続でマイナス圏に沈むことになる。

そして5月。決算期を迎える月であるが、日米とも好調で+5.2%のパフォーマンスであった。業績の結果がでる月で好調であるのは、(かつての)ファンダ派としてはまあまあだろう。この時点で+8%のパフォーマンス。よい銘柄をあてられなかったので良くはないが、最低限の成績は残せていたかと思う。パフォーマンスに寄与したのは、タイセイ、JIA、アメリカのSaaS関連株、Amazonあたりだった。一方で、ひと相場おわったイントラスト、フリークアウトあたりを保有していたのは、今のスタイルからみるとよろしくない判断だった。


6月~8月は相場としては緩やかに上昇を続けた時期であったが、自分のパフォーマンスとしては、+2.8%、-0.2%、+4.8%と低調だった。8月はアメリカ株が好調でったことでなんとか数字上は結果が残っているが、日本株はこの決算月で-2.7%と振るわなかった。ファンダ派としては深刻に受け止めなければいけない自体だろう。業績がよくても売られることはあるがこの決算では業績も振るわなかった。


ここでこれまでのファンダで判断し割安成長株の長期保有というスタイルを見直すことになる。四季報を読んだり投資家の質を考慮するようにしたりいろいろ工夫した。

その結果9月は日本株+6.2%と成果が出た。具体的には応用技術、ラクスルあたりがパフォーマンスに貢献した。ただしこれまでの割安成長株のスタンスが抜けきれておらず完全勝利といった月ではなかった。今から考えると、ピーバンや手間いらずなどファンダ面でのポテンシャルはあるもののだらだらと下げている銘柄は保有しており、この点は今の視点から見るといまいちだった。

とはいえ、この時期から業績がよい銘柄を長期保有といったスタンスから市場の声を聞いてそれに合わせていこうという考え方が芽生えているのがわかる。一歩前進と言えそうだ。

そして10月。日本株-12.5%、アメリカ株-17.1%、全体でも-15.2%と大惨敗を喫することになる。

これまで概ね好調で2月のVIXショックでもほとんど無傷だったアメリカのグローズが大崩れした。加えて日本株は外国人期間投資家が好きそうな銘柄に寄せていた(それが比較的ディフェンシブとの判断だった)が、これが直撃してしまった。想像するところであるが肝心の外国人が売ってしまっていたのでないかと思われる。裏目に出てしまったかもしれない。

そこからは多くの資金をキャッシュにして防戦一方の戦いを強いられることになる。先の記事にの書いたとおり、指数に手をだしたり、個別の空売りをしたりである。

 

●一年の通じての感想と来年抱負

今年の前半までは、一言で言うと木をみる投資であった。(個別企業をみるということである。)それが後半は森を観るように変化した。ブレていると考えるか進歩したと考えるか微妙なところではあるが、変化させた以上変化後のプラス面を見ていくしかない。

変化後のスタイルでプラスにするには今後は多様な見方をして複眼的に投資判断をしていくことになる。

例えば、これまでは利益の成長に対してPERが割安で株価がさげていれば買いでよかったが、今後は株価が将来の業績(悪化)を折り込んででいるのではないか、とか、業績がよかったとしても買い上げる買い手はいるかどうか、とかを洞察していくことになる。簡単ではなくなったと言えそうだ。

ただしこの投資哲学の変化はとても注意を要すると感じている。この変化を要約すると投資家からトレーダーへの変化ともとれる。投資家とトレーダーでは判断が真逆になることも少なくない。この辺りを混乱しないようにしたい。

とはいえ、トレーダー思考で相場に対峙するか、投資家思考で相場に対峙するかは地合い次第である。投資家思考のほうがよい地合いになれば、いつでも投資家思考に手のひら返しできるようにアンテナは張っていきたい。

 

それから一年を通じて痛感したことは、胆力が足りなかったということだ。

胆力が足りないゆえに分散が過ぎた面は否めない。それ故狙いがあたってもパンチのきいたパフォーマンスがあげられなかった。

特に来年はチャンスが少なくなっていくと思われる。数少ないチャンスに対しては、選択と集中でもってちゃんと資金を集中するようにしたいと思う。