やまいもの投資

風見鶏トレーダーの株式投資日記

株価とは何だろうか

株価とはなにか

 

 株価、すなわち、株式の価値とはなんだろうか?


株式とは企業の所有権のことである。もっと端的に言えば、議決権のことであるが、株式投資でのリターンという観点では、その価値は本質的には配当を得ることである。

しかし、今日の株式の評価としては、実際に配当しているかどうかよりも配当をする能力のほうが評価としては主流である。つまりは配当の原資である資産、更には資産の元となる業績(利益、売上)の多寡でもって評価するのである。

ここで注意したいのは、配当は現物であるが、資産、利益、売上は投資家にとってバーチャルであること。つまり、多くの投資家が資産、利益、売上があれば、実際に払うかどうかは分からないが、配当をはらう能力はあるだろう、ということで評価を行っている。

つまり、株式の価値は、本質的な部分に、人々がどう思うかという側面があるのである。

よって、株式がPBR1倍割れしているから株価がおかしいといわれても、人々がそう思っている以上、それがその株式の価値になるとしか言いようがない。

人々がどう思うか、それがが株式の価値だといわれても、決して無秩序なわけではない。一定のコンセンサスがある。
ここでは、その一定のコンセンサス(株価の決まり方)を整理してみたいと思う。


株価の決まり方


比較的に広く支持されているコンセンサスに、株価は一義的には、業績(売上、利益、資産)が株価をきめるという考え方である。

基本的にはこれが一番大きい。

そして、業績(売上、利益)を決めるのは、需要とビジネスモデル(立ち位置)である。

需要があるから、業績が上がり、ビジネス上の立ち位置がよいから、そのよい業績が継続すると考えられるのである。

加えて、業種もまた株価を一義的に決める要素である。

同じ業績であっても、不動産セクターにいるのと、IT企業では株価には大きな違いがある。これは、リターンに対するリスクに着目することで説明される。

先に、株式の価値とは本質的には、配当を得ることであるとかいた。

これをもう少し厳密にいうと、将来得られるであろう配当を割り引いたものと考えることができる。

つまり、どれだけ今業績がよくても(売上、利益)、過去業績が良かったとしても(資産)、将来の業績に対してリスクがあるような業種であると、株式は低く評価される。

例えば、不動産セクターなどは、金利景気循環によって、資産の減損リスクが有るため、将来の業績に対してリスクがあると考えられるため株式は低く評価される。

 

業種・業績の他にも、株価を決める要素はある。それは、マクロと人気と需給である。


マクロというは、中央銀行が金融緩和をするとか、消費税増税をするとか、そういった国の経済政策のことである。特に中央銀行が緩和的かどうかは非常に重要だ。
なぜなら、株価があがるには、投資されるマネーが豊富に存在しないといけないが、そのマネー量とは、本質的にはどれだけ人々が借金をしているかである。(マネー=クレジット)この人々の借金の量をコントロールしているのが、中央銀行なので、この中央銀行がどのような態度をしめすかは株価に大きく影響を与える。
このことは、アベノミクス以降の株価の上昇をみれば自ずと理解できよう。


人気とは、先に書いた”人がどう思うか”に関係する要素である。
例えば半導体関連であったり、5G関連といった、これから需要が拡大するであろうテーマ性に沿った株であると、人気が人気を呼ぶといった格好になり株価は高騰する。これも株価を変動させる要素となる。また、新商品の開発、特許、業務提携などの材料も、人気のきっかけとなる。加えて、材料が発現する前の思惑もまた、人気化する要素となりうる。


株式の需給とは、増資であったり、自社株買いであったり、信用取引の取り組みであったり、一時的に売りの買いのバランスが崩れることである。チャートを読むといったこともこの需給に含まれる。チャートによって、買いや売りが入りやすいポイントを捉える事ができ、これは需給を判断することに相当するからである。

 まとめると、下図となる。

 

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株価の構成要素の関係性

株価の構成要素として、業種・業績、マクロ、人気、需給の4つを紹介した。
これらの関係性はどうであろうか。

業種・業績、マクロの2つが、一義的要因として株価水準を決め、人気、需給の2つが擾乱要因として、株価をボラタイルさせるという整理で良いだろう。

 

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ここまで概念が整理できると、投資と投機の概念が整理できる。

株価水準にベットするのが投資、ボラティリティにベットするのが、投機と整理するのがよろしかろう。投資は、主に業績にベットするわけなので、業績の変化には一定の時間が必要。よって時間軸は長めになる。一方、投機は人気や一時的な需給にベットするため、当然時間軸は短めになる。

 

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