投資方法の分類②
今回は前回につづいて残りの投資方法を見ていく。
残りの投資法は、グローバルマクロ以外は、比較的渾然一体となって、単体で使うという感じではない。しかし、エッセンスという意味では独立しているので、別の別の投資法として扱うことにする。
⑤テクニカル投資
この投資法は、主にチャート分析、移動平均線であるとか、出来高をみての投資判断である。移動平均線、出来高以外にも、一目均衡表、ボリンジャーバンド、パラボリック、RSI(オシレーター系)、MACDなど様々な指標がある。
これらはそれぞれ様々な観点での、株価の動きのパターンを捉えて法則化したものだが、代表的なものとしては以下のような感じだろうか。
・株価は新高値をとると、上昇が継続しやすい
・株価にの調整には、日柄調整と値幅調整がある
・値幅調整も、だいたいどの程度まで調整するかの目安がある。
・日柄調整する場合も、調整をおえるとタイミングというものがある。
・移動平均線付近や出来高の多い価格帯など、株価は、特定の株価水準が、上昇・下落の抵抗帯となる。
・その抵抗帯を突破すると、一方方向に株価は動きやすい
何れにせよ、株価の動き自体インプットとして、エントリー及びイグジットを行う。
これらが機能する銘柄は、比較的流動性のたかい大型株に多い。システムトレードとも相性がよいであろう。
⑥材料株
この投資法は、ニュースによって株価が大きく動くことがあるが、この動きにベットする投資法である。ニュースを待ち伏せしても良いし、ニュースは起こってから飛び乗ってもよい。これらの銘柄は短期間に高騰するので時間効率は高いが、下落も短期間で起こるので損失も大きい。また、機動的に資金を動かす必要があるため、機敏な決断力が求められる。
⑦仕手株
特にこれといったニュースもないのに、なぜか株価が高騰するような銘柄がある。仕手筋とよばれるような投資家集団が意図的に株価のつり上げを行って、それにつられて買いにはいった投資家を一気に空売りすることで、餌食にするような投資行動を取る場合があるが、これを逆手にとる投資方法が仕手株投資である。
このあたりは、騙し騙されの世界で心理戦に強く、材料株と同じく、機動的に資金を動かす必要があるため、機敏な決断力が求められる。
⑧モーメンタム投資
株価は、通常トレンドが発生するとそのトレンドは継続する性質がある。したがって、トレンド発生の初期段階で飛び乗ることができれば、その継続している間はずっと含み益を積み上がることができる。
そして、トレンドが崩れた段階で、利確をするという投資行動を取る。
この投資方法はうまく行けば、投資している間はずっと含み益状態でであり、精神衛生上とてもよいし、トレンドが発生しているところを探して、飛び乗ればよいわけで、株価が停滞しているときや、下落している時間に付き合う必要はないので、時間効率がとても良い。
一方で、発生したと思ったトレンドが騙しであった場合は、損切りをしなければならないが、これはいわば負けを認めることであり、これがすんなりできる人でないとこの投資法は難しい。
しかし、ひとは一般には損をするのが大嫌いなので、なかなかトレーンングをしないとすんなり損切りができるようにはならないのではないかと思う。
トレンドが発生するパターンとしては、よくチャートが利用される。(カップウィズハンドルであるとか、新高値等)その意味で、テクニカル投資に概念的にちかい存在である。
⑨グローバルマクロ
「私は或るルールに基づいてトレードするのではない。ゲームのルールが変わる瞬間をめがけてトレードを仕掛けるのだ」(ジョージ・ソロス)
この投資法は、この言葉に集約されているように思う。となると、これを実践できる人はほとんどいないであろう。
現実的には、マクロ的な動きをウォッチしつつ、年に数回空売りを仕掛けるとか、
チャートも参考にしつつ、日々225で、10円、20円抜くといったスタイルか?
これには、一定の相場観に加えて、情報収集能力、その情報に対する洞察能力、市場の変化を鋭敏に察知する注意力が必要であろう。
次回、これまでのことを踏まえて、自身の投資方法について語る予定である。