自身の投資スタイル
これまで株価とはどのようなもので、どのような性質があるか、また、その性質を利用したどのような投資方法があるかを見てきた。
これらを踏まえて、自分はどのような投資方法を選択するのかを述べてみたい。
どの選択が正解でであるかどうかは人それぞれであるだろう。
しかし、どれも選択しないという選択は、おそらく間違いであろう。
なぜなら。
株を保有していると、よいときばかりではない。
状況が悪くなると、都度方針を方向転換していては、
・高値で買って安値でうる
とか
・損切りできずにずっと塩漬け
とか
そういった困難な状況に陥るのがオチである。
株式投資は、判断のゲームである。
如何に的確に判断をしていくか。
その際、以下に頭をクリアーに保っておくか。
これが重要だと考える。
そのためには、一定の判断のベースがあると良いと思う。
そして、その判断のベースは極力シンプルかつ合理性的で、それでいて投資環境は常に変化しているので、その変化にも対応できる必要がある。
一見、矛盾してそうだ。
一貫性があって、かつ、変化にも適応するというのだから。
しかし、矛盾しているように見えて、矛盾はしていない。
状況を判断した上で、結論をかえるわけなので。
以上を踏まえた上で、下記の基本方針を取る。
●基本方針
①基本的には、割安成長株とバフェット株とグロース株を主軸に据える。
②投資した銘柄は、それぞれ割安成長株とバフェット株とグロース株に分類する。
③割安成長株においては、目標PERを設定し、目標株価に達した場合は、投資数量の半分を売るものとする。残りの半分は売りは裁量による
④割安成長株で、想定した成長が実現できていない場合は即座に処分するものとする。
⑤バフェット株とグロース株については、基本的にはバイアンドホールである。
⑥グロース株で想定した成長が実現できていない場合は即座に処分するものとする。
⑦バフェット株は、エコノミックモートが崩れ去ったと判断された場合は即座に処分するものとする。
⑧購入は2回に分けて行う。最初のタイミングでは、予定投入金額の2/3を投入する。
最初のタイミングは、ファンダのみで判断する。
判断の目安は以下の通りである。
・割安成長株:割安かつ高成長(目安は、PER25以下、増益率20)
・バフェット株:ワイドモートが存在、かつ、そこまで割高ではない(目安は、営業利益率10以上、PER35以下)
・グロース株:高成長、かつ、起業家の成長意欲、かつ、そこまで割高ではない(目安は、増収率30%以上、PSR15程度まで)
⑨2回目の購入(残りの1/3)は、テクニカルでもってタイミングを判断する。
相場全体が下がったときやチャートの節目などを利用
⑩となりの芝生が青かったら、遠慮なく引っ越しをする。
⑪基本フルインベストとする。
⑫ただし、大規模な金融収縮が発生した瞬間に、全撤退する。
⑬一つのかごにはもらない。分散投資を基本とする。
●基本方針に対するいくつかの補足
本方針の補足を述べることによって、その心を解説したい。
ファンダベース
本方針は、基本的にはファンダをベースとしたものであるが、2度目の購入など一部ではテクニカルの要素を取り入れている。一度目の購入では、ファンダをベースとしているので、近視眼的にみると最適のタイミングではないことが多い。体感的にいうと買ってすぐ下がることが6割くらいになるのではないかと思う。(落ちてくるナイフは大好物だ。)ファンダ派なので、これはこれで良いと思うが、これらを少しでも、是正できればという思いで、2度めはテクニカルでタイミングを図ることにしている。
マクロは撤退条件として利用
マクロは大きく株価水準に影響を与えると認識しているが、そういったニュースを正確に読み解くことは難しいと理解しているので、はかから諦めている。それより、そういったニュースに怯えて収益機会を失うことを避けたいという考えのほうが大きい。
とはいえ、この基本方針はマクロの影響を軽視しているところは、本方針の弱点である。マクロ影響により、資産が半減する程度のリスクはあると考えているが、あんまりにもひどいのは、流石に逃げたい。ということで、「⑫ただし、大規模な金融収縮が発生した瞬間に、全撤退する。」というルールを設けている。
マイルドな一貫性または適度な柔軟性
本方針は、割安成長株一本というわけではなく、バフェット株とグロース株という2つの投資方法を加えている。
その意味で、マイルドな一貫性にとどまっている。別の言葉でいえば適度な柔軟性をもつとも言える。
また、「⑩となりの芝生が青かったら、遠慮なく引っ越しをする。」というルールがあるが、これは大きく一貫性を損なう要素だ。
これは、自分が大きく判断を誤った場合の救済措置であるとともに、変化への適応を意識したルールである。
スイング排除
一番リターンの大きな方法は、仕手株、材料株のスイングトレードではないかと思う。また、仕手株、材料株ではくてもマクロや地合いを読んで、スイングトレードのほうが時間効率も高く、リターンも高くなると思うが、これを行わない。それは細かいことはしない、シンプルな投資としたいという方針からである。あくまでも個別銘柄の情報による判断を基本としたいという思いからだ。
ミドルリスクミドルリターン
本方針は、ミドルリスク、ミドルリターンだと思っている。
先にふれたようにスイングはしないというのに加えて、割安成長株に特化していないところもそれに関係する。
スイングの次にリターンの大きいのは割安成長株だと思っている。なぜなら、割安の水準訂正と業績の成長によるリターンの2つのリターンがえられるからだ。
しかし、そのような銘柄は、成長のとば口にある企業が多いので、やや安定性にかけるきらいもある。なので、片肺飛行であるバフェット株やグロース株も入れるのである。
加えて、集中投資をすることもないし、信用は使わないのでリターンを極大化する投資方法ではない。一方で、基本フルインベストメントなので相応のリスクは取っている。
そういった意味でミドルリスクミドルリターンなのである。
楽しさと堅実さとスケベ心を満たす投資をする
私が中心にすえる3種類に株には以下の役割分担がある。
グロース株で夢を追い、バレット株で安定を確保し、割安株成長株でスケベ心を満たす。
株価が下がったため損切りするという考えはない
本投資法では、株価が下がったため損切りするという考えはない。
ファンダ派であるので、ファンダが同じであれば、株価が下がった場合は魅力が増したと考えるのである。損切りするのは、ファンダに変化があったか、投資の前提に変化があったか、隣の芝生が青かった場合のみである。