やまいもの投資

風見鶏トレーダーの株式投資日記

期待値だよ!期待値!

本記事は、以下の記事からの続きです。

 

yamaimo-toshi.hatenablog.com

 

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前回議論したことを振り返っておこう。

前回の結論はこうだ。

・利回りが固定されていない金融商品は、本質的には期待リターンを得る確率は50%を超えない。
・そして、リスク(標準偏差)が高くなれば、なるとほど、期待利回りを得る確率は下がっていき、元本割れすることも十分ありうる。(最頻値がそうなることもあるのだ。)

つまり、リスクはリターンを蝕むのであるから、リスクは極力おさえるのが正しい。

それから、以下の点も確認した。

・長期投資はリスクあたりのリターンを向上させるので有望だ。

 

今回は、これを論破するのである。


つっこみどころは、満載であるが、最初のツッコミはこうだ。


そもそも、最頻値やら確率をみてどうすんねん、だ。


一年後の期待リターンがRならば、期待リターンRなのである。当たり前だ。最頻値(最も多くのひとのリターンが収束する値)は、Rより小さくなるかもしれないが、沢山施行すれば期待リターンに達しないケースが大半であったとしても、すべてのリターンを足して平均を取れば、期待リターンに収束するのである。

それが、期待リターンの意味である。

期待リターンに達しないのを、うまくいかない投資と定義すれば、リスクが大きいということは、うまくいかない投資が多くなることを意味するが、期待リターンが低くなるということではない。つまり、うまくいかない投資を、とてもうまく行った投資が、補い、結局はトータルで見ると期待リターンに収束するのである。


次のツッコミは、リスクの低い商品ってどうよ、だ。


リスクが低い商品は、一般的に期待リターンも小さい。

そんなジジ臭い投資してどうするんだ?という精神論ではない。

先の結論はリスクは考慮せずともよい、だった。なのでリスクが低い商品を選好する態度は、リターンをどぶに捨てることを行動様式を意味するわけでその意味で、合理性がないといっているのだ。


そして、最大のツッコミどころは、長期投資ってどうよ、だ。
先の結論は、試行回数は多いほうがよい、だ。であれば、長期投資で回数を減らすのは意味がない。長期投資がリスクを減らすのでという詭弁は、先程論破したとおり通用しない。リスクは意識する必要はないのだ。意識すべきは期待値なのだ。


それから、ここまでくればすでに議論するするに値しないと思うが、「長期投資はリスクあたりのリターンを向上させるので有望だ」についてだ。これを明確に否定しておこう。

ここで言っていることは、リスクを時間というコストをかけて、一生懸命低下させたよ、すごいでしょ、と。まあ、そう言っているわけだが、仮に100歩譲って、リスクというのが大層な価値があるものだとしよう。でも、それには、時間というコストを支払ってるでしょ、ということころがポイントだ。コストをはらっているのだから価値があって当然だ。時間効率という視点を抜きにして優位性を議論しても仕方がない。
また、こういった解釈もできる。将来の価値というのは、現在に割り引いて計算せにゃならん。したがって、将来のリスクの低下という価値は、現在に引き直せは価値は小さくなって当然だ。よって、長期投資によって得られるリスクの低下という価値は、過小評価せにゃならん、ということだ。(私の立場は、「リスクは無視せよ」、だから、価値のないものを現在に割り引いたってゼロはゼロなので議論するまでもないし、価値のないものに時間というコストを払っているのだから、滑稽ですらある。)


以上の3点(+α)より私の結論はこうだ。


リスクは無視しろ。期待リターンだけに着目しろである。
・ただし、施行の回数を多くしないといけない。それは沢山の銘柄に投資する、または回転をあげる、ことと同義だ。
 つまり、分散性&短期がよいということだ。
・留意点としては、リスクは無視することになるので、引き受けなければいけないことは、うまくいかない投資が多くなる、だ。
・うまくいかない憂鬱を引き受ける代わりに、リターンを最大化させるという修行と心得よということだ。


さて、この切れ味のするどい議論(←あれ、自分でいってるお。)の矛先が、自身の投資方法に降り掛かってきてしまっている。

自身の投資法は、中長期ファンダ派だ。

矛盾しとるだろう、ということだ。

そのとおり矛盾しているのだ。

数理的な観点では、スイングのほうがよい。ただし、それは短い時間で適切な期待値を割り出す能力があれば、という前提付きだ。
残念ながら、私にはその能力が(今の所)ない。短期での期待値を推測するには、ファンダ、ビジネスモデルなどより、人気、需給の分析のほうが重要だ。印象としては心理戦につよい必要があると感じる。ここの感性が必要であるのだが、ここは今の所、私には備わっていないようなので、いまは短期のトレードはしていない。そのかわりに、銘柄の数を増やすという次善策をとっているのである。


今回は、以下の結論を得た。


・リスクは無視しろ。期待リターンだけに着目しろ、である。
・ただし、施行の回数を多くしないといけない。それは沢山の銘柄に投資する、または回転をあげる、ことと同義だ。
 つまり、分散または短期がよいということだ。
・留意点としては、リスクは無視することになるので、引き受けなければいけないことは、うまくいかない投資が多くなるということだ。
・投資とは、うまくいかない憂鬱を引き受ける代わりに、リターンを最大化させるという修行と心得よということだ。