やまいもの投資

風見鶏トレーダーの株式投資日記

2018年の振り返りと来年の抱負


●一年の振り返り

今年はどのような相場でそれに対してどのように戦ってきたのかを振り返ってみる。

まずは1月。前年後半の勢いがそのまま継続し特にアメリカのグローズや日本の小型グロースが絶好調であった。
自分のパフォーマンスも9.1%と概ね満足できるものだった。もちろん細かいことを言えば、有機EL需要を期待した化学系の株を持っていたりしてパフォーマンスが削れらた面もあり、満点ではないものの、きちんと処分できており行動としてはOKだったように思う。

次は2月である。VIXショックが起こり大きく市場が冷え込んだ。とはいうものアメリカのグロースが比較的軽症であり、全体で-3.7%アメリカ株にいたっては-1.6%と軽微な損害にとどめた。ただしこのあたりから高PERの銘柄のバブルがおきていたようだが、これには乗ることができなかった。いまから考えれば、このあたりから相場が変わっていたのだろうと思う。

そこから3,4月と軟調な相場がつづき自分もパフォーマンスも3ヶ月連続でマイナス圏に沈むことになる。

そして5月。決算期を迎える月であるが、日米とも好調で+5.2%のパフォーマンスであった。業績の結果がでる月で好調であるのは、(かつての)ファンダ派としてはまあまあだろう。この時点で+8%のパフォーマンス。よい銘柄をあてられなかったので良くはないが、最低限の成績は残せていたかと思う。パフォーマンスに寄与したのは、タイセイ、JIA、アメリカのSaaS関連株、Amazonあたりだった。一方で、ひと相場おわったイントラスト、フリークアウトあたりを保有していたのは、今のスタイルからみるとよろしくない判断だった。


6月~8月は相場としては緩やかに上昇を続けた時期であったが、自分のパフォーマンスとしては、+2.8%、-0.2%、+4.8%と低調だった。8月はアメリカ株が好調でったことでなんとか数字上は結果が残っているが、日本株はこの決算月で-2.7%と振るわなかった。ファンダ派としては深刻に受け止めなければいけない自体だろう。業績がよくても売られることはあるがこの決算では業績も振るわなかった。


ここでこれまでのファンダで判断し割安成長株の長期保有というスタイルを見直すことになる。四季報を読んだり投資家の質を考慮するようにしたりいろいろ工夫した。

その結果9月は日本株+6.2%と成果が出た。具体的には応用技術、ラクスルあたりがパフォーマンスに貢献した。ただしこれまでの割安成長株のスタンスが抜けきれておらず完全勝利といった月ではなかった。今から考えると、ピーバンや手間いらずなどファンダ面でのポテンシャルはあるもののだらだらと下げている銘柄は保有しており、この点は今の視点から見るといまいちだった。

とはいえ、この時期から業績がよい銘柄を長期保有といったスタンスから市場の声を聞いてそれに合わせていこうという考え方が芽生えているのがわかる。一歩前進と言えそうだ。

そして10月。日本株-12.5%、アメリカ株-17.1%、全体でも-15.2%と大惨敗を喫することになる。

これまで概ね好調で2月のVIXショックでもほとんど無傷だったアメリカのグローズが大崩れした。加えて日本株は外国人期間投資家が好きそうな銘柄に寄せていた(それが比較的ディフェンシブとの判断だった)が、これが直撃してしまった。想像するところであるが肝心の外国人が売ってしまっていたのでないかと思われる。裏目に出てしまったかもしれない。

そこからは多くの資金をキャッシュにして防戦一方の戦いを強いられることになる。先の記事にの書いたとおり、指数に手をだしたり、個別の空売りをしたりである。

 

●一年の通じての感想と来年抱負

今年の前半までは、一言で言うと木をみる投資であった。(個別企業をみるということである。)それが後半は森を観るように変化した。ブレていると考えるか進歩したと考えるか微妙なところではあるが、変化させた以上変化後のプラス面を見ていくしかない。

変化後のスタイルでプラスにするには今後は多様な見方をして複眼的に投資判断をしていくことになる。

例えば、これまでは利益の成長に対してPERが割安で株価がさげていれば買いでよかったが、今後は株価が将来の業績(悪化)を折り込んででいるのではないか、とか、業績がよかったとしても買い上げる買い手はいるかどうか、とかを洞察していくことになる。簡単ではなくなったと言えそうだ。

ただしこの投資哲学の変化はとても注意を要すると感じている。この変化を要約すると投資家からトレーダーへの変化ともとれる。投資家とトレーダーでは判断が真逆になることも少なくない。この辺りを混乱しないようにしたい。

とはいえ、トレーダー思考で相場に対峙するか、投資家思考で相場に対峙するかは地合い次第である。投資家思考のほうがよい地合いになれば、いつでも投資家思考に手のひら返しできるようにアンテナは張っていきたい。

 

それから一年を通じて痛感したことは、胆力が足りなかったということだ。

胆力が足りないゆえに分散が過ぎた面は否めない。それ故狙いがあたってもパンチのきいたパフォーマンスがあげられなかった。

特に来年はチャンスが少なくなっていくと思われる。数少ないチャンスに対しては、選択と集中でもってちゃんと資金を集中するようにしたいと思う。

 

 

2018年12月の結果

●2018年12月の結果

年初来 -0.3%
月初来 -0.9%


保有銘柄
三機サービス
eBase


●2018年12月の総括

今月は大きな市場の下落もあり、自分もロングポジションはひどくやられた形となった。特に米中首脳会談の結果を受けてとったロングポジションがひどくやられた。ポジションとしては1/4程度であったので致命傷にはならなかったが痛いことは痛かった。

また米中首脳会談前にとっていた指数のショートでも焼かれた形となった。米中首脳会談前までは、新冷戦、QT、利上げいずれも最悪の状況であり、中期的な株価の下落を予想してとったポジションであったが、パウエルプット(ハト派発言)もあり裏目に出ていたタイミングでの新冷戦の一時休戦であり、形勢がわるいと判断し損切りに至った。

ところがそれをあざ笑うかのごとくファーウェイCFOの逮捕、先のFOMCでの利上げ&パウエルのタカ派発言などもあり、損切りが完全に裏目にでた格好だ。

こういったグローバルマクロに振り回される状況を受けて、グローバルマクロを材料としたトレードは難しいとの判断に至った。よって今後は指数のトレードを封印しようと思う。

ただし、金利、QT、新冷戦などの情報は常にウォッチしておき、ポジションサイズの調整には使っていこうとは思う。つまりあくまで売り買いの判断は個別銘柄の状況で行い、ロットサイズや投入する資金の絶対量を形勢判断で調整するという形だ。


一方以外に好調だったのが個別銘柄の空売りである。地合いの恩恵を受けたことが大きいとは思うが、ある程度使える目処がたった感じがする。また相場付きが変われば通用しなくなることもあるだろうがうまく行っている間はこのまま継続したい。


来月からチャレンジしていきたいのが、ロングのスイングである。これまでロングはファンダをベースとして中長期投資であった。最低でも半年くらいは持つようなスタイルだ。しかしこういったスタイルの投資が難しくなりつつあると感じる。ファンダが効かないとういうか、業績が株価へ与える影響が極端に低下している感じがする。こういった状況を嘆いていても仕方がないので、こういった相場付きにも通用するような手法をなんとか確立したいと思う。しばらくは傷つきながら試行錯誤予定である。


何れにせよこの不安定な相場である。今は勝負するときではない。下落相場、レンジ相場の対処の仕方を学ぶ機会と位置づけ、傷つくことを恐れず、チャレンジを継続することとしたい。

 

2018年11月の結果


●2018年11月の結果

年初来 +1.5%
月初来 +0.4%


保有銘柄
JIA
三機サービス
eBase

 

●2018年11月の総括

11月は下記の記事に書いたとおり、空売りなどをちょこちょこやっていただけであったために、基本的に資産の変動はほどんどない。

https://yamaimo-toshi.hatenablog.com/entry/2018/11/17/231926


さて、形勢判断である。

米中首脳会談が終わった。
注目の関税引き上げを3ヶ月ほど猶予し、3ヶ月後(3末)までにサイバー攻撃知財問題等合意が得られない場合は、25%まで引き上げるとのこと。想定内というか最悪の自体が免れたことで一旦は投資家心理としては安堵といったところだろうか。
これで利上げ、米中冷戦、QT(FRBの緩和マネの縮小)、3つの懸念の内2つがなんとかなりそうな気配だ。となると一気にリスクオンとなる可能性がある。これに対応するためにモードを変更する必要があると考える。

これまでのアウトボクサースタイルから一定程度の打ち合いをするスタイルへ変更が必要との判断である。
音楽がなっている間は踊り続けなくてはいけない

バブル最後のまつりを享受しようということである。とはいえ3つの懸念のうちQTはのこっており相場が終盤に差し掛かっているとの認識は変わらない。

常に森をみること(形勢判断)は怠らないようにしたい。

 

全天候型投機家への転身

10/26にほぼノーポジにして、しばしのリフレッシュ期間を経て、今週の月曜日から気分一新、新しい手法で取り組み始めた。
そして思うところもたくさんあった。その思うところをここに展開してみたい。

まず10/26の撤退に関して。端的にいうと自らの投資哲学や手法といったものが、自分のメンタルでは昨今の相場の動きに耐えきれなかったという総括になろう。
つまり自分のメンタルでは無理があったということだ。

●これまでの自分の手法とその限界
これまでの自分の手法は、グロース株の中長期投資であった。具体的には、需要・成長性・ビジネスモデル・革新性などを勘案し自分が良いと思う銘柄を、高くないところで仕込み、決算ごとに業績をチェックして許容範囲内であればずっと保有。そして割高になったところで売るというものだ。

こうすれば最低業績の伸び程度は儲かるだろうという目論見だ。あわよくば、株価の水準訂正も狙えるのでとても合理的な投資方法に映る。

しかし、だ。

実際はそうはならなかった。

確かに2017年は半分くらいはこの考えで結果がでた。しかし2018年になってかは3回ほど決算シーズンがあったがどうも様子が違った。
2月の決算は自分の保有株については業績はちゃんとでていた。その割に売られるなと言う感じだった。
8月の決算はだいぶ様子がちがい頼みの業績が伴わないことが多かった。投資を始めるタイミングでビジネスモデルなどを検討し優秀だと判断した銘柄が、である。
数字でいうと業績が伴わなかったのは半分近くに上ったように思う。(自分目線ではあるがこれまでは8割り程度は業績的にはOKだった。)
そして11月の決算である。10/26に撤退しているのでほとんどポジションがない状態であったが自分の保有していた銘柄は壊滅的だった。半分以下の会社しか業績的にOKを出せない状況であった。

このような状況だったため当然銘柄をころころ入れ替えた。よって長期的に保有してその成長をとるというスタイルは全く威力を発揮できなかった。

これまでの手法はINするタイミングで精査した優秀は銘柄は株価が崩れることはあっても、業績はよいのが前提であったがそのような前提は成り立たなかったことになる。少なくともそのような会社見つけるのはそんなに簡単ではないということはわかった。ここに無理があったわけだ。

そして銘柄をころころ入れ替えることになるのだが、これだと業績を中心としたファンダを投資判断にすえるというのはチグハグである。あくまでも業績に株価が沿うのは長期的に見た場合であり、より短期になれば、短期的な需給やマクロの影響が大きくなるのは自明だ。


もうひとつ自分のスタイルの弱点が露呈した形となったのは、グローバルマクロ影響の軽視である。

もとよりマクロの状況特に中央銀行の影響は、株式投資においてとても影響が大きいとは認識しつつも、敢えて投資をシンプルにするため、大規模な金融収縮が起きない限り撤退はしない方針でいた。

この方針のために今回大きな痛手を受けたことは否めない。

この方針はいわば木だけをみて投資をしろということだが、ふと周りの森を見回すと、山火事が燃えさかっていた、と。そんな感じだったように思う。

市場で生き残っていくには森もみる必要性を痛感した。投資における複雑さも受け入れざるを得ないということである。


●森の状況

そしてショックがおこってからではあったが、あわててあたりをきょりょきょろしてみて以下のことがわかった。

まずはFRBの動向として金利を上げているという事実。十年国債の利回りもあがってきているがおそらく12月あたりにもう一度上げるだろう。
第2にFRBがバランスシートの縮小を継続していること。アベノミクスを見るまでもなく金融緩和でこれだけ上げたのだから、逆のことをして上げ続ける道理も無かろうというロジックは説得力があろう。

これらの結果、実際にリスク高い新興国のチャートから崩れ始めており、10月にはいよいよアメリカ株までくずれる兆候をみせた。昨今のボラの大きさも危機の前兆とうつる。貿易戦争もあり中国の景気はしばらくよくならないだろう。
また、原油安→ハイイールド債のデフォルトリスク拡大→ショック発生 なども危機のトリガーとしては一つ考えられることだろう。
他にも思いもよらぬところでトリガーを引く可能性はあるだろう。というより予想されているところより思いもよらないところのうがよりショックは大きく長引くであろう。

 

●一週間の戦果

このような認識のもと、ニュースタイルに脱皮すべく今週の月曜日から少ない資金でいくつか手法を試してみた。

①指数の空売り
 上記の相場観にベットするための手法である。数週間から半年程度の時間軸で見ている。枚数は少ないもののいまのところ少しばかりの益はでている。

②個別の空売り
 ちょうど決算シーズンであったので悪材料がでた銘柄や期待先行で上がりすぎていると判断した銘柄をいくつか空売りしてみた。これは1日長くても1,2週間程度の時間軸で考えている。
 結果は6銘柄トライして3勝0負。2銘柄は指値にかからず未エントリー。1銘柄はまだ買い戻していないが含み益は出ているという状況で一応結果は出た形だ。
お世辞にも銘柄選択が優れていたとは思われないが地合いが良かったのであろう。

 

●今後の方針

 このショックや今週の試運転で学んだことは、形勢判断(地合いの判断)が、個別銘柄分析を(少なくとも短期的には)凌駕することうことだ。
 よってこれからは投資においては形勢判断(地合いの判断)を一丁目一番地とし、その形勢にあった手法を組み合わせてバランスを取っていく手法としたいと思う。
これにより全天候型の投機家を目指すということである。

現在の形勢判断としては、10年続いた上昇相場が終焉を迎えて今後下落相場に入っていくか(ハードランディングシナリオ)、しばしの停滞期間(ソフトランディングシナリオ)にはいったとの認識である。
 
ハードランディングシナリオの警戒しつつ方向感が出るまでは雌伏のときであると判断したい。ただしハードランディングシナリオが具現するときは一定の利益が望めるようにとの組み立てで相場に対峙する方針である。

具体的にはハードランディングシナリオ用に指数のショート(中期目線)とVIX投資を組み合わせる。加えて決算など値動きがでるタイミングでの個別銘柄の短期スイングを考えている。

買いはしないわけではない。依然として長い時間軸であればロングも有望であると考える。この場合より長いスパンで有効であり続けるシナリオの物が良いであろう。
例えば骨太のビジョンをもったグロースはその候補となりうる。

まとめると以下のようになる。

 長期:個別買い
 中期:指数売り、VIX売り
 短期:個別売り、VIX買い

 

こういった手法だとそれほどパフォーマンスは期待できない。雌伏期であると割り切って次の上昇相場に備えることにしたい。

 

 

2018年10月の結果


●2018年10月の結果

年初来 +1.1%
  日本株:-4.7%
  外国株:+6.1%
月初来 -15.2%
  日本株:-12.5%
  外国株:-17.1%


保有銘柄(日本株
JIA
三機サービス
eBase

・IN:
なし

・OUT:
イーレックス
ピーバン
アイスタディ
手間いらず
応用技術
F&M
ITFOR
ラクスル
ERIHD
MTG
建設技術研究所
RPAホールディングス


保有銘柄(外国株)
なし

・IN:
なし

・OUT
GOOGL
AMZN
NVDA
BABA
ADBE
INTU
NOW
FB
ZUO
BA
FISV
ZS

 

●2018年10月の総括

10月はとんでもない月だった。
アメリカ株は、ハイテク高PERグロースに寄せていたので、金利上昇が直撃し大惨敗を喫した。日本株も新興に寄せているので、これまた直撃し、悲惨な状況であった。

アマゾンとGoogleの決算がいまいちであったため、一旦頭を整理する意味でNISA分を少量残し全撤退した。

その心は、先の記事に書いたとおりである。

撤退はしたが、投資への熱量は引き続き継続している。

多少肩の力が抜けた分また新たな視点もでてくるし、これまでの投資活動を振り返るのにもよいインターバルであると解釈している。このインターバルの間に急騰してしまったら、それはそれで仕方がないと思っている。

いま考えているのは投資スタイルを練り直しだ。

投資スタイルを変更することについてはプラス面もあるがそれ以上にマイナスもありうる。

投資スタイルを変えてマイナスというのは、どうしても相場へ適応していくということになるので、投資行動が後追いがちになることだ。したがって大きく勝つことができなくなるデメリットはあろう。最悪適応したとおもったら相場が変わってしまい全然リターンがとれない場合もあるだろう。

またそれなりに考えて投資スタイルを固めた経緯もあるため過去の自分との整合性がとれないといったこともあろう。

こういった様々なデメリットはある。

とはいえそこに希望が感じられるアイディアがある以上試すべきとの考えも強い。

いまのところ過去の自分の考えを凌駕する投資アイディアを温め中である。

リフレッシュ期間がすぎたら、少額から試していこうと思う。

 

一旦撤退だ

一旦撤退だ。

理由だが端的にいうと

休暇が欲しくなったということだ。

株式投資はむちゃくちゃ面白い。SNS上の仲間とのやり取りも楽しい。儲けも今のところ出てる。

しかしこれにのめり込むと純粋に儲けのためにできなくなるのではないかという懸念がある。
どんな相場でも資金をはり続け、やめるにやめられなくなる。休むも相場ができなくなる。そういった懸念だ。やっぱ、投資というのは損してまでやるものではない。これはどうしても譲れない原則だ。

もちろん、相場をはり続ける理由付けはいくらでもできる。経験を積むのだ、とか、マクロは無視せよだとか、金融収縮が起きなければはり続けろ、とか。
実際、金融収縮が起きなければはりつづける、を信条としてやってきてそれが合理的だとも思う。(自分のこれまで培ってきた投資脳的には)
熟慮を重ねて、休むも相場より、金融収縮が起きなければはりつづけるの信条のほうが上だ判断した経緯もある。

しかし、相場をはり続けると休憩ができないのだ。

ずっと同じスタンスで同じようなフレームでものを見ていると同じような結論になってしまい、視野狭窄に陥ってしまう可能性を否定できない。

はたから見ていて、とても滑稽なことをやっていても気づけないことになったりはしないか、それを恐れるのである。

今回の行動は、底で売っているわけで自分の投資脳的には全く合理的ではない。企業の成長にベットしていたはずなのに、業績が悪いわけではないのに相場を降りるのはどう考えても、自分の投資脳的には不合理だ。
今回のアマゾンの決算(※)だって、インターナショナル以外は、文句のつけようがない好決算だと思う。ここで売るのは、自分の投資脳的にはありえない。
(※)アマゾンの引け後の売られ方が今回の決断のきっかけだ。

一方で、自分の投資脳以外の脳が、休みなさい、と言っている。

思えばここ2年近くナイーブな普通の脳を投資脳に変容させるべく日々鍛錬してきている側面があるが、それに対して自分の投資脳以外の脳が、必死の抵抗を試みていると言えるのかもしれない。

たまには、自分の投資脳以外の脳の言い分も聞いてやる時間をもっても良いのではないかと思うに至った。

とはいえ、ここまで増殖した自分の投資脳を殺すつもりはない。というより殺すことはできないといったほうが正確だ。自分の人格に完全にビルドインされてしまったのである。


よって、今回の撤退の意味は、充電といった趣である。

そして1ヶ月後になるか2ヶ月後になるかはわからないが、投資とは違うことをするつもりである。一旦投資脳を封印して、別の脳を使って生活をしようと思う。リフレッシュできたと思ったらまた復活するつもりだ。

なお、撤退と言っても一応投資の火は完全には消さない。その意味で、少額のNISA分と401Kの投信は残しておく。

 

株式投資家にとって不動産投資とはどういったものなのか

先日とある不動産銘柄のIRセミナーいった流れで、その会社の面談を受けてきました。

つまり、株式投資をやっているついでに、不動産投資もやらないか、と勧誘を受けたというわけです。

私は、不動産投資に特に知識があるわけではなく、ほぼまっさらな状態で、面談を受けたわけですが、結論から言うと、不動産投資もありかも、と思いました。

そのあたりの考え方について、面談に沿った形で、ちょっと整理してみたい。

面談にあたってまず聞かれたのは、人生設計というかライフプランというか、その辺を聞かれました。

自分的には比較的きまっていて、○歳までに○円くらい貯めていたい。その後は、たまってから考える。そんな感じで答えました。

その次の質問は、今いくらある?どうやって増やすの?

で、回答は

「いま○円あるので、これから株や投信で○%くらいで回せば、なんとか達成できると思っている。」

そうなると、不動産投資のつけ入るすきはないのですが・・・・

そこで、先方は目先をかえてきました。

資産を3つに分散すると良いんだよ、ときた。
つまり、現金・株・不動産の3つ。

今は、株中心だとリスクも大きい、実物資産も持つべき。

ってことで、さっそく物件紹介。

二駅利用できる山の手駅徒歩15分で2500万くらいの物件。
家賃は10万取れたとすると利回りが4.7%。

この辺相場はよくわならないけど、だいだい普通くらなのかなぁ。

で、頭金なし金利は1,9%の変動、その他修繕積立金やら2年で1ヶ月程度の空室などの費用もいろいろでるだろうからそれらを加味すると、月々5000円から3万くらいのマイナス。平均で、1万3000円くらいのマイナス。(←一応これは業者がいうには最大限保守的に見積もったそう。)


だけど、完済時や途中で物件を売却するときには、資産がたまっているから、例えば30年後に売却したときには、
利益がでるでしょ、という説明だった。

ちなみに月々の収支がずっと1万3000円のマイナスだった仮定して、30年後想定した売却金額で、売れたとするとおよそ6%程度でまわしたことになる。

そんな具合だ。

で業者がいうのは、

①ローンがおりるのは、限られていて8%程度しか資格がある人がいない。限られたそういった方は、その特権をいかしてほしい。
  
②加えて、ローンの枠として、だいたい年収の8倍程度は融資可能なので、住宅ローンを抱えていても大丈夫だよ。

③また、ローンは団体生命保険があるので、途中で本人が死んだ場合は、返済の必要がないため、生命保険の代わりになる。

メリットあるでしょ。契約せーへんか、と。

これに対して私もすかさず反論。

でも、想定した売却額で売れるとはかぎらんやろ。

 →単身用中古マンションは、ワンルームマンション規制があるから、そんなに値崩れはしないよ。
  (確かにそうかも。ここは業者の勝ち)
  
中古マンションって、そんなに持つの。持ってきてもらった物件が築25年くらいの物件だったけど、30年運用したら55年になっちゃうよ。

 →マンションってどのくらい持つか知っとるけ?115年位持つんだよ。だから大丈夫だべ。
  そこで、築55年の表参道の物件がうれているとか実例を示される。
  しかも、中古物件て最初の10年くらいで半分くらいになるけど、それ以降はそんなに価格はさがらないよ。
  (うーん、確かに売れとる。リノーベーションしてきれいになってれば、売れるかも。ここも業者の勝ち)
 
 
変動金利1.9%ってあるけど、金利上昇リスクは加味しとらんね。

 →住宅ローン金利の上昇は一気には上がらない。そういう規制がある。だから上がったとしても急激には上がらない。
  (この辺の業者の説明は苦しい。ここは私の勝ちかな。)
  
ここまでのところ、1本僅差でとったとはいっても、若干劣勢。業者強し。

そんな感じで、面談を終えました。

率直な感想は、まあ、不動産投資もありかも、という感じ。

ただし、気になったポイントは以下の通り。

①クレジットをつかうということをどう考えるか

負債を背負っていると考えるか、特権を行使していると考えるか。
何れにせよ、リスクはあがっているとは考えなくてはいけないだろうが、ここは、どちらの考えもあると思う。

それから、

流動性のリスク

不動産投資は、売りたいときに簡単に売れない。流動性のリスクがある。


③割が良いか

上記の流動性のリスクがあって、6%の運用というのは割が良いか。
ここは、あまり高くないという評価である。
それなら、純粋にいつでも売れるリートのほうが良さそうだ。ただし、不動産投資はキャッシュを使わないで、クレジットをつかっての投資なので、そこはちがう。そこをどう考えるか。

キャッシュフローはマイナスになるが・・・・
この投資は、月々のキャッシュフローがマイナスである。そこは明確なマイナスポイントであろう。


論点としては、こんなところだろう。

 

ポイントは、


クレジットを使うため追加でキャッシュを投入する必要がないかたちでの流動性リスクのある6%金融商品

これをどう考えるか、である。

いまのところ、リスクにたいしてリターンが少なすぎる印象だ。
体感的なものだが、最低でも10から15%くらいはほしいかなぁ、という感覚だ。

仮に不動産市況が大暴落して、リターンが10から15%くらい狙えるようになれば、追加のキャッシュインなし資産形成ができるわけで、悪くはないかなぁ、そんな感想をもった。


全体を通じて先方の営業も誠実な印象で悪い感じはしなかったし、考え方としてもありだろうと思った。ただし、自分の場合は、投資に対して期待リターンが高めなのと、流動性のリスクを比較的大きく考えているため、ちょっと投資対象とはならなかった。

今のところは、こんな判断をしているが、まだまだ知識も少ないので、もっと別の観点で積極的にやったほうがよい理由もあるかもしれない。

そういった自分が見落としているところがあるようでしたら、ツイッターなどで意見をもらえると嬉しいな!